- 唐松岳 -
日本アルプスへは、毎年2~3回登って居た。
所が、心房細動を発症してから白山に登ったのが最後となっている。
その後手術により完治したが、今度はコロナが流行って山小屋泊まりが難しくなった。
その後、コロナも収まったが、思いきれなくて登ることができていない。
今年こそは登りたいと思うが、体力低下で、昔のようには登ることができないと思う。
体力的に、1500mもの標高差を登る自信がない。
ということで、標高差800m位で山頂に立つことが出来る唐松岳に行くことにする。
唐松岳には13年ほど前に登ったことがある。
その時は、唐松岳に登ってから五竜岳そして遠見尾根を下って周回した。
今の体力では一日で五竜まで行く自信がない。
唐松岳までのピストンなら少し物足りないが楽ちんに登ることが出来るだろう。
 
というわけで、更に余裕があるように白馬村に前泊してから登ることにする。
朝7時に出発すると吹田を通過するあたりから豪雨となる。
時間があるので犬山城による予定だったが中止。
長野県に入ると雨は止んだが、随分と遅くなってしまった。
スーパーで食料などを仕入れてホテルへ。
 
久しぶりにリゾートホテルに泊まって朝起きると快晴だ。
リフトまで行く途中で白馬三山が美しい。
 
最初は黒菱駐車場から登る予定だったが、カーナビに出てこない。
白馬村の観光センターでルートを聞くとオリンピックのモニュメントから曲がるように言われた。
しかし、どうも道がわからない。
諦めて八方アルペンルートから登ることにする。
ローソンでリフトの割引チケット3,000円/人を購入。
八方温泉駐車場に駐車して出発。

ゴンドラ、リフトと乗り継いでいく。
次第に雲の中に突入する。
 
八方池山荘でトイレをお借りして出発。
8時19分。
標高1,830m
ニッコウキスゲが見事に咲いている。

蛇紋岩のゴロゴロシテイル道を登っていくと、雲が切れて白馬三山が雲海の上に顔を出した。
みんなから歓声が上がる。
 
早速、花たちが出迎えてくれる。
久しぶりのタカネマツムシソウ。
オオバギボウシもお久しぶり。
 
アキノキリンソウとクモマニガナ。
 
鮮やかなクルマユリとヨツバシオガマ
 
エゾシオガマとキバナノカワラマツバ

ショッキングピンクのシモツケソウ

遠見尾根も雲の中から顔を出した。
 
イブキジャコウソウとオオコメツツジ
 
キンコウカとタカネナデシコ
ハッポウウスユキソウ
 
ハッポウアザミとイワシモツケ
4
ハッポウタカネセンブリも可愛い。

ヒカゲチョウの仲間だろうか?
飛び回っていて腕などに止まって逃げない。
汗を吸っているのだろうか。

タテヤマウツボクサの群生。

イワギキョウの花も懐かしい。
 
なんとユキワリソウが咲いている。

毎年、前赤石山の蛇紋岩地帯に見に行っていたが、この数年は見に行けていなかった。
大好きな花に出会えて幸せ。
 
シロバナのユキワリソウとミヤマアズマギク

タテヤマリンドウかと思ったが、ハルリンドウだと教えていただきました。
 
木道脇には雪渓が残っている。
ウラジオヨウラクのピンクの花。

蛇紋岩の岩塊と息ケルン。
9時47分。
標高2,005m。
第2ケルンは別名、息(やすむ)ケルンとも言い、昭和12年、ここで遭難された息子さんの供養に建てられた。
 
ムシトリスミレ。
花が咲いているのは初めて見た。
何時もは花が散って黄色くなった葉だけが残っているのだが。

ミヤマダイモンジソウ
 
八方ケルン。
9時58分。
「八方ケルン」は、標高約 2,040 mに建てられた慰霊のケルン(石碑)。
昭和55年、吹雪で遭難し亡くなった逗子開成高校山岳部の生徒5人と教員1人を追悼するため、1984年に同校が建立した。
 
キバナノカワラマツバとミヤマママコナ
 
クモマミミナグサとホソバツメクサ

ホソバノツメクサ

素晴らしい眺望
左から、不帰キレット、天狗の頭、白馬鑓ヶ岳、杓子岳、白馬岳。

10時15分。
大きな雪田を歩く。
 
八方池に着く。
10時19分。
此処までちょうど2時間。
標準タイムが1.5時間なので随分と時間がかかっている。

八方池に不帰キレットが綺麗に映っている。

右奥には白馬三山の姿。
 
池の周りを回っていく。
テガタチドリが群生している。

飯森神社奥社
昔、八方池に住んでいた大蛇が人里にて危害を加えたということで、
当時この地方を治めていた豪族(飯森氏)が奥宮を建てて守護神にしたそうです。
 
タカネマツムシソウとクルマユリ。

コゴメグサ
八方池までは蛇紋岩地帯だが、ここからは花崗岩となる。
そのため此処まで低木しかなかったが、ここからはダケカンバなどの樹林帯となり、逆転現象ができている。
 
ハクサンタイゲキとカラマツソウ
 
ピンクのイワカガミとツルキンバイ。
 
オトギリソウとホソバツメクサ?
 
ハクサンオミナエシとハクサンチドリ
 
ハクサンタイゲキとサンカヨウ
 
オオサクラソウ
 
扇雪渓では大勢が休んでいる。
学校登山だろうか小学生くらいの子どもたちが多い。

私も休みたかったが、家内は先を急ぐ。
 
ヒョウタンボクとミツバオウレン

ツマトリソウ
 
チングルマとツガザクラ
 
不帰キレットの雪渓がだんだんに溶けている。
 
キヌガサソウとエンレイソウ
 
ショウジョウバカマとゴゼンタチバナ。

淡いピンクのハクサンシャクナゲ
 
白いドレスを着た女性が大きなザックを背負って登っている。
ちょっと違和感がある。
ホツツジが満開。
 
ハイマツ帯に入るとナナカマドの花。
暑くて喉が渇く。
今日はたかだか800mの登りと、スポーツドリンクを2本づつしか持ってきていない。
大失敗。

また大きな雪原を登っていく。
12時25分
 
チングルマが花の盛り。
 
ツマトリソウとアオノツガザクラかな。
 
丸山ケルン着。
12時47分。
なんと此処まで4時間半かかっている。
以前は唐松岳頂上まで4時間で登ったのに。
 
五竜岳が左に大きく見える。
 
コバイケイソウが咲き始めている。
ナナカマドも花の盛り。
 
風もなくとても暑くなってきた。
お昼も過ぎているが食欲がわかない。
口の中がネバネバになり水を飲んでも喉の乾きが取れない。
日陰がないので仕方なく道端の岩に座り込む。
昼食のパンを食べようとしたが喉を通らない。
一気に疲れが出てくる。
 
やっと頂上が見えてくる。
記憶ではなだらかなトラバースを歩いて山小屋についたと思う。
しかし、手前のピークに向けて岩場が続く。
 
丸山ケルンを過ぎたあたりから何組かの登山者と前後して歩く。
皆さん疲れて交互に休むようになる。
私たちよりも遥かに若い人たちも疲れたと言って座り込んでいる。
 
こんな坂あったっけ。
 
前に歩いたトラバースは崩れてしまったのか。
 
ピークに来るとミヤマダイコンソウやミヤマクワガタがたくさん咲いている。
 
ピークを過ぎて下るとやっと唐松岳山荘が見えてくる。
 
クロトウヒレンとミヤマコウゾリナ
 
チシマギキョウとミヤマダイコンソウ
 
ハクサンフウロも咲いている。
 
やっと山荘に着いた。
14時36分。
なんと6時間20分もかかった。
前回は4時間足らずで着いたのに。
いくら暑かったとはいえ足の衰えに驚く。
とりあえず缶ビールを購入。
800円。
家内はペットボトルの水を買う。
500円。
一気に飲み干す。
まずは部屋にチェックイン。
宿泊費は一人16,000円。
以前は1万円以下だったのになあ。

唐松岳山荘では水の便が悪く歯磨きの水も売っている水を使用するとか書かれていた。
しかし、洗面所では冷たい水が豊富に出る。
飲料禁止と書いてあるので飲むのを我慢するが、頭から水をかぶってうがいを何回もする。
やっと生き返った。
少し休んでから頂上に向かう。
 
山荘から少し下るところにピンクの花が点在している。

斜面にコマクサが群生している。
久しぶりの出会いに観劇。
 
チョットした登りなのに荒れた岩場が足にこたえる。
振り返って唐松岳山荘と牛首。
 
疲れた足に気合を入れて山頂へ。

13年ぶりの唐松岳山頂。

不帰キレットから天狗の頭、白馬鑓ヶ岳そして白馬岳へと続く険しい稜線。
 
正面に剱岳。
 
不帰キレットから男性が二人登ってきた。
すごいなあ。
遠く日本海が見える。

堂々とした山容の五竜岳。
前回はこの時間には五竜山荘でビールを飲んでいたのだが。
歩いた山並みが懐かしい。
 
下っていくと白いドレスを着た女性とタキシードの男性がポーズを取っていた。
結婚式ですかとお聞きするとそうだと言う。
おめでとうございますと見送る。
 
小屋に帰って夕食。
ご飯とワカメのお味噌汁が美味しい。
食の細い家内も完食していた。
スマホの電池が空になっているので充電しようとするが、コンセントがない。
この小屋では充電対応をしていないという。
仕方がないのでモバイルバッテリーから充電することにする。
部屋に帰って担いできた日本酒を飲もうとしたが、一口口をつけただけで睡魔が襲ってきた。
同室の夫婦ももういびきを掻いて熟睡している。
私達も7時過ぎには熟睡。
せっかくおつまみなども担いできたのに。
朝、4時過ぎに起きると家内がいない。
朝日の出を見に行ったのかと山荘の裏山に登る。
 
ちょうど東の空が朱に染まり始めている。
大勢が朝日の出を待つ。
家内はいないがどこにいるのだろうか。
 
五竜岳と劔岳
 
八ヶ岳と富士山
段々と明るくなってきた。

朝焼けが綺麗だ。
 
なんと昨日の新婚夫婦がもうドレスを着て日の出を待っている。

朝日が顔を出すと歓声が上がる。

五竜岳が朝日に染まり始めた。

剱岳もてっぺんがモルゲンロートに染まり始めている。
しかし期待したほどには赤く染まらなかった。

唐松岳
 
新婚御夫婦も朝日に見入っている。
これからどのような人生を送られるのだろうか。
 
6時から、剱岳を見ながら朝食。
 
身支度をして外に出ると五竜岳、剱岳、唐松岳が朝日に輝いている。

ポカリスエットを3本購入。
レスキュー隊の隊員に写真を撮ってもらってから出発。
6時40分。
 
正面に五竜岳。
 
雲海が広がっている。
 
チングルマやツガザクラももう見納めかもしれない。
しっかりと目に焼き付けておく。

イワカガミも可愛いなあ。
 
アカモノとツマトリソウ
 
もう登ってきている人達が多い。
黒菱の駐車場から登ってきたらしい。
 
ミネズオウとツガザクラ。
 
今日も暑くなりそうだ。
8時15分。
すれ違いが多く、下りでも1時間30分ほどかかった。
 
雪渓の下りではスリップを警戒して軽アイゼンを持ってきたのだが必要なかった。
 
扇雪渓に降りてみると空気が冷たくて気持ちが良い。
大休憩する。
 
吾亦紅が咲いている。
 
白馬三山も見納め。
 
ホソバシュロソウとホシガラス
 
10時29分 八方池
丸山ケルンから2時間以上かかっている。
もうすでにポカリは1本飲み干した。
 
ミヤマムラサキかな?
 
八方ケルンと息ケルン
暑さで参ってしまった。
ポカリも飲み干した。
 
クロトウヒレン?とハルリンドウ
 
ワタスゲが綺麗だ。
途中でトイレ小屋に立ち寄る。
トイレには冷たい水が豊富に出る。
頭から水を被り、うがいをする。
飲用不可と書いてあるが、つい飲んでしまう。
とてつもなく美味しい。
明日、腹を下すかもしれないが我慢できない。
ついでにからのペットボトルに3本も水を詰める。
 
ますます暑くなってきた。
ペットボトルの水を頭からかぶって下る。
 
やっとリフトについた。
12時13分。
下りでも5時間半かかった。
ヘロヘロになる。
標高差800mで中津峰山と殆ど同じくらいなのになぜこんなに時間がかかったのだろうか。
リフトを使わず歩いて下る人達も多い。
 
ニッコウキスゲとヤナギラン
 
ゴンドラ駅でまたスポーツドリンクを一気飲み。
八方の湯で汗を流してから一路自宅へ。
途中、渋滞にもあったが、夜中の1時に自宅着。
久しぶりにアルプスに登った。
いちばん簡単なアルプスだと思っていたが、後期高齢者にとっては厳しかった。
でも最高の天気で素晴らしい眺望とたくさんの高山植物を見ることができた。
できればもう少し涼しい季節にもう一度来てみたい。
里山倶楽部四国
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